「どうして?」

「ほら、あの子。甘いもの苦手だから。」


……はっ!
忘れてた……。

ばかだ、ばかだ。
ばかなのは、あたしだ。


毎年、プレゼントしてたのはチョコじゃない。

似顔絵とか、手袋とか、マフラーとか、香水とか…。


「あたし、謝ってくる!」

「え?みーちゃ…」


おばさんの言葉を最後まで聞かずに、来た時と同じように。

バァン!とドアを開く。


まーくんは、相変わらず本を睨むように読んでいた。


そんなまーくんの近くまで行き、ちょこんと座る。

「…まーくん、ごめんなさい」