「ま・あ・く・んっ!」

バァン!と開いたドアの向こう。

いつものように、まーくんはベッドに仰向けで本を読んでいた。



「なんだよ、美世」

なんだよ、ってなんだよ!

まーくんの、トゲのある言葉にあたしは唇を尖らせてしまう。

もしかして、今日がどんな日なのか知らないの?



「…まーくん」

「だから、なに?」


ちっともあたしを見てくれない。

そんなにその本、面白いの?

でもね、でもね。

ちょっと酷すぎやしませんか?


仮にも、彼女が来たのに。

ですよね、みなさん!