「……千広は、…どうしてここに来るの、遅れたの?」 また泣き出してしまいそうな由衣の言葉に。 「…あ」 分かった。 下をもう一度見下ろせば、確かに見覚えがあった。 「……可愛い子に、告白されてたでしょう…?」 確かにされた。 されたけど。 「由衣を待たせてると思って走って来てるうちに、んなこと、忘れてたよ」 確かに、可愛いか可愛くないか、と聞かれれば、可愛い。 けど、 「俺には、もっと可愛い彼女がいるだろ?」