落ち着きを取り戻し、隣でお弁当を頬張る由衣に。

俺は、一向に分からない答えを聞いた。


「何で、いきなり別れるとか言い出したんだ?」


「……されてた…から」


「は?」


ぷいっと顔を逸らして、小声で言うから聞こえにくい。


でも、耳が真っ赤になっている可愛い由衣を逃がすわけにはいかない。




その耳元で

「…由衣、言って?」

優しく囁けば、

「……ここから、見えたの」

観念したように、そう呟いた。


由衣と同じように、フェンスから下を覗いて見るが、何も見当たらない。




「何が?」