『あはは、セシア大丈夫~?真理ちゃんもナージャも無事だったんだね~』



お腹を抱えて笑うレンに、ジルははぁっとため息を吐いた。シキとマダムも笑いを堪えている。



『こ、殺す気か!』



ゲホゲホむせながらなんとかすりすりと頭を擦り付けるクロのしたから抜け出したセシアを見て、神田はとても嬉しい気持ちになった。なんだかんだ組織が襲撃されたときからあっていなかったのだから。




『みんな久しぶりだな!…でも話は後だ。ちょっとまだ振り切れてなくてね。』




クロに乗ったまま言ったナージャのその言葉にみんな刀を抜いてクロの後ろを見やった。





『きゃはっ!お前らまでここにきてたとはな!!』



『…まあね。ちょっとこの人数だと分が悪いんじゃない?大人しく身を引いた方がいいと思うけど?』




ペトラルカは鎌から降りてその自分と同じくらいの長さの鎌を肩に担いだ。その顔は怖じ気る様子はなく、不敵な笑みのままである。




『きゃはは!確かに人数的にはそうだな!私だけで敵うはずがない!』




驚くほど潔い言葉に、しかし不敵そうに言うその姿に、全員眉をひそめた。




『…だが!ここがどこだか分かっているのか?』



ペトラルカは両手を広げた。



『ここは漆黒の森!今やこの場所は主の管下!!』



そういうや否や、ペトラルカの体中に闇が渦巻いていく。




『…!まさか…!みんな、気を付けろ!』



ジルは咄嗟に叫んだ。



ペトラルカの姿は闇に飲まれて見えなくなり、代わりに現れたのは。






『…やれやれ、ペトラルカには困ったものです。そう堂々と適わないとか言わないでほしいですね。』



神田は目を見開いた。




『これはこれは…随分と役者が揃っていますね。』



愉しそうに笑うシーホークであった。