那智が後宮に来て10日が過ぎた。少しづつだがこの生活にも慣れて・・・はいなかった。




「ふむ・・・殺傷能力の高い順に処理をしていかねばな」




そう。




那智が後宮に来てからというもの、様々な暗殺という名の贈り物が届いていた。



今の王に正妃はいない。そこに華族でも第一位の有栖川家から王の元に嫁がやってきた。





有栖川家なら正妃になってもおかしくない位だ。今まで後宮にやった姫の家元や、王の寵愛を受けたい後宮の姫達は、あらゆる手を使い那智を排除しにかかったのだ。




「那智姫様。そのような事は私がしますので、お手を触れになるのはやめてください」





那智が今まさに取りかかろうとした瞬間、有栖川の家から那智について来てくれた侍女の美沙がやってきた。





本来なら侍女を連れてくること自体後宮に入る姫には許されていない。




しかし有栖川の力なのか、那智は美沙を連れて後宮に入ることを許された。



その特別扱いが更に暗殺を企む者達に妬みと誤解をうんだ。