(普通の姫とは違う・・か。面白い)




「確証か・・・この首飾りが証だ。これが偽物だと言われたら余にはもうどうする事もできないがな」




嫌味を十分に含み、那智の顔を見る。那智は王の目など気にせず首飾りを凝視していた。



那智の暮らす陽の国には代々伝わる二つの王宝がある。



一つは王がつける首飾り。何百年も前から伝わる王の宝。様々な宝石を使い陽の国の象徴である不死鳥を描いている首飾り。



今は伝説になっている造り手が何年もかけて造ったものだ。




真似などできないだろう。もう一つは正妃がつける簪。これにも不死鳥が描かれている。


しかしこの王になって以来着けている者はいないと聞く。




(分かっていたけど・・・捻くれた王だこと)




一つ小さい息を吐くと、王が今まで見た者の中でも最高級の礼をして見せた。