そこで志高は那智の方を向いた。




「那智華が・・・何か有栖川に言ったのか?」





この間まで傍観を決め込んでいたあの家が、こうも簡単に動くとは・・・志高には信じられなかったのだ。





那智が話すよりも先に、幸也が言葉を続ける。





「王は忌み子という以外に、何か間違ったことをしたのか・・・・そう聞いたらしいですよ」




それを聞き幸也も気付いたのだ。



王は・・・・国の為になる事しか・・・してこなかったと。




「そして・・・正妃として城に戻ると告げたらしいです」




自分の言った言葉を他人から聞くと・・・・こんなにも恥ずかしい物なのかと那智は顔が赤くなる。





志高は那智の言葉が嬉しかったのか・・・・涙目だ。




「主上・・・良い正妃様ですね」




幸也の声に二人の顔は真っ赤になるのだった。