「龍と生きて行きたい。後宮になぞ・・・帰りたくもない。あの場所で生きて行くくらいなら・・・龍と一緒に死ぬ方がマシだ」



今でもその思いは変わらない。



「けれど・・・那智はそれを選ばないんだろ?」



初めから龍にも分かっていた。



那智から文が来た時は喜び、今日が待ち遠しかった。



しかし・・・那智を梅の木の下で見た時・・・終わるんだと思った。



「選ばない・・・違うかい?」



望んでいる未来がある。



けれど・・・那智はその未来を今・・・自分で捨てようとしているのだ。



涙を流してはいけないと思うが・・・次から次へと涙は溢れてくる。




「優しい那智・・・あの王をほっとけなかったんだろ?」



いつだって一人で立つ・・・冷徹非道な王を。