梅の木の下で、隣には愛する人がいて・・・この時間がいつまでも続くと思っていた。



いつまでも・・・笑顔は共にあるものだと思っていた。



けれど・・・自分たちの道は・・・分かれていたのだろう。



那智が後宮に嫁いだ・・・あの時に。




那智が奏でるのは・・・・叶わぬ初恋の唄。



今まで那智が弾いた事のない唄だった。



【戻らぬ時に・・・


どれほど涙を流しても・・・


これが二人の道だった。


君を想い出に変えて・・・明日も生きて行こう


過ごした日々を


忘れはしない。


いつか・・・笑って会う日まで・・・


君よ幸せであれ・・・・】



那智が自分の作った歌ではないものを、龍の前で歌うのは久しぶりだった。