「これは・・・・・志高様が・・・?」



那智が帰ってきた日に、美沙から渡された。



「美沙に主上が託したみたい。美沙が内密にと渡して来たわ」



那智には見せるなと言われている。



「志高様は・・・・何故・・・・」



ここまでしてくれたのかしら?




どこかで気付いているはずなのに・・・那智はその事に見ないフリをする。



「那智は・・・気付いているんじゃないの・・・?」



柚那の言葉が全てを語っている。



本当は・・・分かっているんでしょ?と・・・・。



けれど・・・那智は分からないのだ・・・。



志高が何故・・自分を好きになったのか。




会った時から、那智は志高に何もしていない。




そんな自分のどこに志高が惹かれたのか・・・・それが分からない。



だから・・・志高の気持ちを信じられない。