人形のような毎日を送っていた自分を覚えている。


その自分に・・・毎日毎日飽きもせず話しかけていた志高。



髪をすき、その日あったことを話続けてくれた志高。



最後の最後に・・・・那智に自由をくれた志高。



けれど・・・志高はあの場所に縛られ生きていくのだろう。




「龍が会いに来たの・・・・あの日ね・・・・」




那智は龍と出会ってから起こった事を柚那に話し出す。



途中柚那の顔が悲しそうに歪むが・・・那智は止めなかった。



一人で抱え込んでいくには無理があったためでもある。



「ねぇ・・・柚那・・・・私は・・・王を・・・志高様を傷つけたのかしら?」



こちらに帰って来てから・・・那智はそればかり考えていた。



冷徹非道と言われる王が本当は優しい事を・・・那智は知っている。