「美沙・・・・お願いします・・・・どうしても・・・・どうしても・・・・会いたいのです」


これで最後だから・・・・。


美沙には那智がそう言っているように聞こえた。



「分かりました。しかし私は下がりません。扉の前で待っていますので・・・」



誰かが来たら・・・すぐに知らせれるように。



美沙が考えている事など、那智には手に取るように分かるのだろう。



那智は涙を流しながら、美沙を抱きしめお礼を言った。



「ありがとう・・・ありがとう・・・」





しかしこの時・・・志高が龍のいない事に気付き、那智の元へと向かってきている事を・・・まだだれも知らない。