二人は自分の目の前で、愛を確かめ合った・・・・。


その事実が志高をおかしくしそうになる。


「葛城の次男・・・・下がれ」


那智が下がった後、志高は龍にそれだけしか言わなかった。


その為龍は気付かなかった・・・・志高の目が怒りに震えていたことを・・・。


自分と那智との合言葉に志高が気付いた事を・・・・。




志高も志高で・・・自分の気持ちをこの時初めて自覚した。



(那智は・・・・誰にもやらない・・・・私のモノだ・・・)



志高にとって生まれて初めて温もりを与えてくれた那智。



那智を失う事はしたくなかった・・・だから後宮に閉じ込めるように正妃にしたのだ。



那智が否と言えない事を知っていて・・・・・。



(那智華・・・私は・・・・那智華が欲しい・・・・)








歯車は大きく傾き始めた・・・運命はもう止まらない。