「着ているものをすべて脱げ!」




出会って10秒。妾(わらわ)達の出会いは最低最悪の始まりを迎えた。




この最低最悪の暴言を吐いた男、陽の国の最高権力者である王。




名前は思い出せないが大層な名があったはずだ。思い出す気にもなれないぐらい最低な馬鹿王だと、言われた那智はすがすがしい気持ちになる。





那智は目の前にいるふてぶてしい顔の、けれども顔だけは憎らしいくらい整った馬鹿王を見上げて考える。





(さて・・・お茶を飲んでいたらいきなりやってきたこの馬鹿・・・どうしてくれようか)






那智の目の色が変わった事に気が付いた王は面白いと思うともう一度同じ言葉を吐いた。




「聞こえなかったのか?着ているものをすべて脱げ!」