それからというもの私の興味は彼のことばかり。
授業中でも隣を盗み見ては、黒板の文字を熱心にノートに書き留める彼に笑みがこぼれました。
「…勉強楽しい?」
私がそう聞くと、彼は進めるペンを止め一時考えた後答えてくれました。
「え、まぁ楽しいよ。
ほら…分からない事が分かるようになると嬉しいよね。それに、将来的に必要だしさ。」
多分、以前の私なら今の言葉にまたうげっと思うかもしれない。
けれど今は違う。
「へぇ、そうなんだ。
勉強が楽しいって思えるのは良いことだよね。」
「そうかな?
でも最近そのせいで目が悪くなってきたんだよね。」
そう言って困り顔で笑う彼を見て
私の胸が幸せで満たされたのを感じました。
その屈託のない笑顔が好きで、笑うと目尻が下がる彼に夢中になったこと覚えています