でも私はそのイルカの本が気になり、中をパラパラとめくって見てみました。
「あ、なんだ結構文字少ないんだね」
思っていた感じと少し違っていたので私がそう言うと彼はいやいやと首をふりました。
「これ確かに絵が大きくて多いけど、ほら文字が小さくて覚えにくいんだって!」
「じゃ、何でこれ選んだの?他のにしたら良かったのに」
率直に疑問に感じたので聞くと、彼は困ったように笑って答えました。
「他に本がなくて…それに、俺イルカ好きだから。」
そんな彼の笑った顔にでしょうか、私は何故か分かりませんが良いなと思ってしまったのです。
でも、その時はまだ恋だなんて思っていませんでした。
ただ興味があるだけ
そう自分に言い聞かせていました。
だって知らなかったんです。
-から+になる恋があるなんて。