6年生になり、

これといって変わった事もなく、あるとすれば教室が一階から二階に移ったことでした。


そして運命の席替えが始まったのです。

普通に話せる人なら誰でもと思って机を移動させていた矢先私は静止しました。

だって、あの苦手視していた彼が隣だったから。

この席で1ヶ月も過ごさなきゃと思うと、私は一瞬の内でブルーになりました。


気分の晴れないまま下を向くと、彼の机の上にイルカの絵が描いてある絵本が見えました。

その時は童話発表会の時期だったのでそれ用の本だと思い彼に尋ねました。


「これを童話発表会で覚えて話すの?」


私が突然聞いたから彼は凄く驚いてましたが、普通に答えてくれました。


「あ、うんそう。イルカの生命体についての絵本なんだ。」


それを聞いた瞬間私は心の中でうげっと呟きました。

イルカの生命体なんてそうそう知るよしないのに、ましてやそれを童話発表会に出すなんてますます理解不能だと感じました。