「ハッキリ言って、俺に言われてもわかんねぇ。」
「・・・えぇ、そう言う返事も予想内でしたけど!?でもひどくねーッ!?」
「んなこた、知るか。でもよ」
こっちを見て、足を止めた渡辺。
そのまま柔らかく笑った。
「お前の言った通り、お前を信じてるんだとは思う。藍羽、お前のこと大好きって言ってたし。
あいつは、嘘つけないからなー。
しかもお前は走って逃げてきたって事は藍羽のあの言葉が刺さったんだろ。」
『友達じゃないよ。』
「・・・確かに刺さった。痛かった。悲しかった。」
そのままの感想を言った。
「だろ?それは、お前もあいつのこと大切だって思ってるってことだろ。」
蒸し暑い廊下には、セミの声が響いて。