敵の軍もなんとか過ぎ去ったようで、雑木林には静寂が訪れた。



「さて…と、どうしたらいいのかな」





馬はない。

それにここから歩いてどうやって伊達の城へ帰ればいいのか道も知らない。



ここにはポツンと私一人だ。


「見ろ!あんなとこに人がいるぞ!」





そんな声が後ろから聞こえた。

え?


敵の軍がまだいたの!?



「きゃっ!」


後ろを振り返る暇もなく、私の身体の自由は何者かによって奪われた。












「ここら辺で一争いあったって言うから売れる武器や人がいないか荒らしにきたが…まさかこんな上玉がいるとはなあ!」


なんなの、こいつら。

縄で足と手をぐるぐるに縛られて、私は三人の男に囲まれていた。



こいつら、鎧着てないし…

兵士ではないのだろうか?




「この縄解きなさいよ!あんた達、一体なんなよ!」




「こいつ、俺らと同じ言葉喋れるぜ!変わった南蛮人だな」

「こりゃあ高く売れるぜ!」



売る?

私を!?