「い、痛くない…?」


私が呟いたと同時に馬が鳴き声をあげながら暴れ出した。




ふと後ろを見ると馬のお尻に深く矢が刺さっていた。

そこからは大量に血がでている。



「だ、大丈夫!落ち着いてよ!」


私は馬にそう言葉を掛けるが馬に通じるはずもない。


なんとかしなきゃ。

このままじゃ馬から落ちる!



そう思っていた瞬間。


馬が急に飛び上がり、私を振り落とすよう暴れた。





「きゃっ!!!」


私は案の定、その馬から振り落とされた。











ドサリと地面へと叩きつけられた。


私が落とされていても周りの兵たちは誰も見向きもせずに過ぎ去って行く。



「痛っ…」



私はすぐさま立ち上がろうとしたが、足を捻ってしまったらしくうまく立てない。


このままじゃ後ろの敵に殺されるのは確実だし、仲間の馬にひき殺されるかもしれない。


私は脇にある雑木林の中にはいることにした。