明るい賑やかな歓声の中、この場には似つかない黒い服を纏った人が音もなく、いきなり現れた。




いつからそこにいたのかなんてわからないぐらい突然で、当然のように政宗の隣にその人はいた。



黒い人。


比喩表現、とかじゃなくて本当に黒い人。


漆黒の頭巾に、漆黒の服。


それは鎧や兜ではなくて、
だけどただの着物でもなくて。




もしかして、これって…忍者?




その忍者は私たちが騒いでるのを横目にコソリと政宗に耳打ちをした。




何を言ったのかは全く聞こえないが、

どんどんと顔を強ばらせる政宗を見るかぎり、あまり良くないことなのはわかった。