近江に誘導されて、琥珀は御簾の外に出た


もちろん、鋼がいた


「行きますよ琥珀様」


「……」


返事はない


「琥珀様?」


鋼が真顔で私の顔を覗いてくる


「……何よ」


「いえ、何もおっしゃらないので気になって……」


「意味はありません。……ほら、行きましょう」

琥珀は鋼の目を見ることなく、そう言った