「鬼神院最高権力者の老長、玄二様はとくに酷かったのです。今じゃあ優しい老人のように見えますが、裏のある方です。気をつけてください」


「は、はい」


真剣な眼差しでこちらを見る近江に琥珀は、その玄二という人の恐ろしさを知った


だが、会ってみたいという好奇心もある


「近江、終わったか?」

「終わりましたー。今いきます」


御簾の向こうから鋼の焦った声が聞こえた


「では、行きましょうか」