「はぁはぁ。遅れて申し訳ありません。兄から聞きました。琥珀様、お怪我はありませんか!?」
「う、うん。平気」
琥珀は手についた血を自分の袖で拭うと、そっと近江に抱きつく
「琥珀様?」
不思議に感じた近江は、琥珀の顔を覗こうすると、琥珀の肩が震えていることに気がついた
それを見た近江は、すべてを察し、母のように背をさする
「……もう、大丈夫です。私たちがついていますから」
優しい近江の言葉
今日は色々な事があったせいか、琥珀の心はたくさんの感情が行き交いしている
でも、はっきりした感情もあった
それは、"不安"だ