息をのんで下へと降りる 地下は暗く、一切光が入っていなかった 最後まで降りると、懐かしい、愛しい声が聞こえた 「そこにいるのは誰だ?」 「……白雲。そこにいるのは白雲なの?」 「お前は南か?」 「そう、私よ!」 急いで愛しい人の元に駆け寄り、十六年ぶりの顔を見ることができた 十六年の苦労の果て、こうして再会できた嬉しさに、南の両目から涙が溢れ出る