今日も。

リュウは遅かった。

私はいつも通りご飯を用意し、ねむりにつく。

しかし。今日はいつもとは違った。

今日は。私の寝ている部屋にリュウがノックもせずに入ってくる。

本当は。本当は。起きていた。
でも。
私は何を期待してか眠っている『フリ』をするのだ。

リュウは。寝ているフリをしている私の頬を撫でる。
多分。今日も女の子と遊んでいたんだ。

そんな。匂いがする。

もう。女の子の匂いがするのは当たり前になった気がして。

でも。仕事も忙しいから、なんて理由を自分なりに勝手に考えて。

自分で納得する。

そんな事が日課になっている私は。
寂しい女なのか。


「ちなつ・・・・」
と語りかける。

そう。
私はこの低く甘い声がすきだった。いや、今も大好きだ。

なぜか。私の頬には涙が伝っていた。