「ねえ、何を警戒しているの? ランダー」


ソニアの問いにランダーは答えない。


「ねえったら!」


「食い終わったなら寝るぞ」

ランダーはぶっきらぼうに言った。


「えっ? ええ、いいわよ」


「お前は壁側に行け」


ソニアは毛布を巻き付けたまま寝台に上がった。

ランダーは枕元に剣を横たえると、ソニアに背を向けて寝台の端に座り長靴(ちょうか)を脱いだ。

ふと小さな手が肩にかかり、暖かい唇が背中に当たる。


「ソニア」

ランダーは警告するように唸った。


「あたしを抱きたかったわけじゃないのね」

ソニアが背中でつぶやく。


「俺はお前には年を取りすぎてるよ」


「あたしの年も知らないくせに」