数時間後。













しばらく話していたら―
瑠依の携帯が鳴いた。

















『おーい、俺の曲どうすんだ?
セイジ』












「あ、忘れてた…」
「何?」
「実はさ…。曲あるんだよね」
「へっ?何で?」
「芸能作詞・作曲科の富浦清二に頼んでた。てへっ」
「『てへっ』じゃないよ。全く…」











『富浦 清二 芸能作詞・作曲科3年』












「こうなると無理…?」
「…曲の状態によるけど。楽譜持ってる?」
「聞いてみる」







瑠依は電話を掛けた。


「もしもし清二?楽譜ってある?」
「『DEARあなたへ』の?」
「うん」
「あるぞ」
「あるって」
「なんでだ?」
「楽譜によるって言われてさ」
「わかった。今日帰りあいてる?」
「ちょっと待って。帰りあいてる?」
「私はあいてるけど優君達はわからないよ」
「わかってるって。もしもし、後で連絡する」
「わかった」