スーパーに着くとカートをハルが押したがり、私は野菜をカゴに入れた。
「おねぇ、肉は?」
コウは指をさしていちいち食品の名前を言う。
『肉はあるっ』
「おねぇ、サバは?」
『サバはカレーに入ってないっ』
ジャガイモを手にとって、いいジャガイモかを確かめカゴに入れる。
「おねぇ、まだー?」
ハルはだだをこねる。
『後、お米だけ』
ハルは小さな小幅でスーパーを歩く。
なんだか可愛い。
『あれ、コウは?』
ちょっと目を離した隙にすぐ消えてしまう。
はぁ…またか。
いつもこうなるのだ。
いつも絶対どちらかが消える。
「消えたー」
『コウー!
コウー!』
二回叫ぶとすぐに小走りしてコウがお菓子を抱えて戻ってくる。