『「ただいまー」』


タッタッタと向こうから走ってくるコウの洋服は土だらけ。


『あんた、何したの?』


困った口調に困った表情をする私に元気よく答える。


「サッカー♪」


そう言ってまたグルグルと家を走り回る。


『ちょっと、その格好で走り回らないで!』


「おねぇ!
お腹すいたー!」


気づけばハナが泣いている。


「私コウ着替えさせるよ」


楓が急いでコウの部屋に走る。


『楓ごめーん。
ハナっ、今支度するから手洗おうね♪』


そうやって急いで台所に走る。
暑苦しい制服を脱ぎ捨てたかったけど、そんな暇はなかった。


「優奈ー!
適当な服でいいよね?」

向こうからは楓の声が聞こえる。


『うん!!
ありがとう!!』