死に物狂いで上がっていく階段。
はぁ…
はぁ…
はぁ…
三階の教室はやっぱり遠くて、思い切り走る。
「頑張れ!
まだ先生来てないよ!」
楓と男子達が私をおびき寄せる。
楓は本当に男っぽい。
髪もショートでソフトボール部に入っている。
だから、楓の周りにはいつも男子ばかりが集まっている。
…1!
…2!
…3!
『三組とう…ちゃ…く』
息を切らしながら教室に入る私に皆は拍手をした。
なんで?笑
拍手?
「お前遅刻多すぎ~」
男子達は私の事をそうやってけなす。
皆は私が小さな妹と弟を一人で育てていて、三人で暮らしている事なんか知らない。
もしこの事が学校にバレたら、私は学校を辞めないといけない。