來雅の父親には会ったこともないし
名前ももちろん知らなかった。


当時來雅の親友だった勇人先輩。


「見損なった。」



その言葉だけ残して、勇人先輩は
学校へはこなくなった。


不登校とかじゃなくて。


荒れに荒れた勇人先輩は
もう誰にも相手にはしてもらえなかった。



私も一時期は不登校になった。



彩や、浩、大樹に救われてなんとか学校に行けるようになった。



「梨乃、もう來雅先輩の事は忘れな。」



「忘れるって…できないよ」



「なんで?!こんなことされて憎いとか思わないの?!」



「思えないよ…」