違う。
來雅はそんな人じゃない。


「なんで…」



私は來雅の家のリビングで泣き崩れた。



來雅の家も大変だった。


一人っ子だった來雅。


私の弟に何度も会いたがっていた。


その願いはかなわなかったけど…。



両親が離婚して父親と二人暮らし。


父親はろくに仕事もせず
お酒にやけくれる毎日だった。



來雅が働かなきゃ食べていけない。


結局高校2年の夏休みこんな形で
どこかにきえてしまって…
退学してしまって…



なんで…

どうして。