「・・・ねぇ。」

学校からの帰り道、あたしは気になることがあった。

「何?」

「どうして・・・キスしなかったの?」

「どうしてって・・・やっぱり、付き合ってもないのにキスは・・・。」

「そっか。よかった。あたしのこと、嫌いだったのかと思ってたんだ。」

「何言ってんだよ!」

「だって、キスすると、簡単に別れにくいでしょ?だから、いつでも別れられるために予防線を・・・。」

そこまで言ったところで、彰にキスされた。

彰は、唇を離すと、

「これで、簡単には、別れれん」

と言った。

あたしは、おかしいやら、嬉しいやらで泣いてた。

「うん・・・。」

「・・・いいのか、俺で。」