言って･･･しまった。

もう、後には退けない。

｢好きだったの、彰のこと。今･･･言うようなことじゃないかもしれないけど･･･。大好きなの。だから、ひとりで抱え込まないで･･･。｣

あたしは、彰を抱きしめていた。

｢美･･･南子。｣

彰は･･･多分泣いてた。

あたしには、見えなかったけど。

多分泣いてた。

彰は、強がりなこと、あたしは知ってたから。

｢大丈夫だよ･･･大丈夫。｣

彰に｢大丈夫｣って言うけど、あたしも大丈夫じゃない･･･。

いきなりの転校宣言。

自分もかやの外だった事実。

誰よりも彰を理解してると思ったのに･･･。

あたしは、何もわかってなかったんだ。