息を切らしながら俺は階段についた。 そこには壁に寄りかかり、体育座りで泣いている亜樹がいた。 今にも、壊れそうな姿で… こんなのにしたのは俺。そう、ごめんな? 目の前の彼女に出来るのは… 優しい言葉もかけられない、大したことのない、 ただの顔だけが取り柄の馬鹿で、ヘタレなダメ男…だよ。 俺は言葉に表せない、と思ったから… 泣いてて俺に気づいてない亜樹を優しく抱きしめた。 思いっきし強く、包むように。