『ママ、お姉ちゃんと天ちゃんどこに行くの?』
「お姉ちゃんと天ちゃんは小学校に行くんだよ。」
まだ四歳だった私は…お姉ちゃんと天ちゃんと、やっと一緒に幼稚園に通えると思ったのに、二人が小学校に通うことに酷く落胆した。
毎日毎日泣いて、幼稚園に行かないと駄々こねて、お母さんを困らせたって今でも言われる。
『いーやぁー!天ちゃんと小学校いくー!』
「こら!愛菜華、天ちゃんを困らせたらダメでしょ!」
『やぁぁぁっ!っ…』
毎日、天馬のランドセルを背負って小学校に行こうとしてた。
「愛菜華。ランドセル返して?」
天馬に話しかけられてもずっと無視。
「愛菜華っ!」
びくっ!!
その時の天馬の声はすごく大人びてて…
私には怖かったんだ。
『天ちゃん…ごめ、なさい…っ』
天馬にキツく言われた時だけ、大人しく言うことを聞いてた。
「愛菜華がもっと大きくなったら、一緒にランドセル背負って小学校いこ?」
出された小指に指を巻き付け…
『うん…』
と言って天馬と約束したのを今でも覚えてる。
天馬との約束は全部覚えてるよ…私。