ピ―――ッ



試合が終わる。


結果は、37対43で、負けてしまった。


だけど、今までで、1番、選手たちはいい顔をしてベンチへ帰ってきた。




「なんか希望が見えてきた感じだな!」


「これから、いろんなプレー研究しようぜっ」




こんな声が飛び交う。




「苦手だと思ってたプレーで、ここまでできたのは、正直予想外だった。これからのお前たちに期待する。」


厳しい監督の、嬉しいお褒めの言葉。





そうだよね。


苦手だからって、あたしも自分の心の中をさらけ出すのを、躊躇するのはやめよう。


今回の実験は、選手たちだけじゃなく、あたしにもプラスだった。





勇気を…もらえたから。