ピ―――ッ



バシッ



試合が始まり、ジャンプボールでうちのチームがボールを得た。


普段なら、ここで一気にシュートまで持ち込むけど…




「まず一本確実にいくぞ！」


「おう！」




なんて皆で声を合わせている。


いつもと違うプレーでも、声をかけ合うことで落ち着きあって、出だし快調な予感。


逆に、相手チームが予想外だったらしく、慌てているみたい。


普段佐野先輩を止めるためにディフェンスは偏っていることが多いけど、様子を見るためか、マンツーマンに変えてきた。



「うーん…いけるか…」



なぜか監督は顔を曇らせ始めたけど、





これは…いけるかも！



バスケを見ているこの間だけは、悩みも頭にはなくなって、


あたしは監督とは裏腹に、自信ありありで試合を見ていた。