謝ったまま、涙が出そうで…とっさに賢から背を向けた。


後ろから、賢が近づいてくるのを感じる。




「謝んな…俺、そんなイイ奴じゃねぇから。あいつにはまだ…負けねぇよ?」




あたしの耳元でそう言うと、あたしの横をすり抜け、入り口に向かって行った。


通り過ぎるときに、ぽんっと背中を押された。


「今日は帰るな。美玲マネージャー!見れてよかったよ!」


そう言いながら、片手を挙げて入り口から、出て行った。






賢…


あたし、自分がわからないよ。


佐野先輩に甘えるのが嫌で離れたのに、今は賢に甘えてる。





このまま…どうすればいいのかな。


賢を好きになれれば…いいのかな。