「美玲―っ!」



早苗と同じように、あたしに手を振った。


こんな人数の中、良く見つけたなぁ…


なんて思いつつ、賢にも手を振りかえす。


その様子を見て、早苗はびっくりしてるみたいだった。

そりゃ、そうだよね。



今度早苗に説明しよう。なんて思っていると、賢が手招きをしている。


走って観客席の入り口まで行くと、




「よっ!試合頑張って。見てるから。」


なんていいながら笑顔を向ける。


「あたしが出るわけじゃないよ~!試合終わったら、また来るねっ。」


時間も押してたから、それだけ言って、また体育館に戻った。