あっ、とりあえずメロンパンを返さねば。
と思ったが、バックは教室。
「メロンパン、忘れました」
「?」
「すいません。今度返すんで」
「.....あぁ。いいよ、アレ。あげたし。」
「...。どうも」
「で?けがの手当てだろ?」
そう言うとすぐに、ガーゼや消毒液などを手慣れた手つきで用意し始めている。
それに意外と手際が良い。
素人でも分かるくらい。
「お前何年?」
「1年。そっちは?」
「3年」
「...。」
3年って...。
普通に『そっちは?』とか言っちゃったよ。
てゆうか、3年って...、
ぜんっぜん見えない...いや、見えるな。
めっちゃ背高いし、軽くだけど制服も着崩してる。
「名前は?」
「山下美月...です。」
「何組?」
「1―Bです。」
...会話ストップ。
だけどあまり気にならない。