似てる?

蓮が言ったことを考えながら、じっと絵の中の女の人を見つめる。

切なげに微笑む女の人と目が合った気がした。あたしは、こんな風に笑えないと思うけどな。



「似てないよ」



そう言って、その絵の前から離れるように足を動かした。








どうしたらおじさんに会えるんだろう、と思っていたけど、答えはあっさりと出た。

本人があたしたちの目の前に現れたからだ。



「こんにちは。来てくれてありがとう」



展示された絵を一通り見終わった頃、スーツ姿のおじさんはそう言って現れた。



「こんにちは……」



ぺこり、軽く頭を下げる。



「パーティーの時とは、少し雰囲気が違うね。……余計に、似ている」

「あなたは……あまり、変わらないです」



似ている……確かおじさんは、パーティーのときにあたしを誰かと間違えていた。

おじさんは金髪碧眼に、スーツ。あのときと同じような出で立ちだ。