「お前はあたしが必死になって走ってるところを余裕ぶちかまして、もうすでに走り終わっていたり、あたしの前を後ろ走りで走りながらたまに声をかけてきたり…」



「そんな事あった?」




「イメージだ、イメージ!!!」



「あぁ、OK。了解」



「あたしは負けん気が強いからそれが凄く悔しくてムカつくんだけど今回はお前が前走ったから助かったんだよな」



あたしはそう言うと、立ち上がって寝転がってる湊谷に視線を落とすと、



「今に見てろよ。すぐにお前を追い越して今度はあたしがお前を助けてやる」



「………」



「あ、そうだ。マフラーありがとな。ちゃんと洗っておいたから。お前に貸しを作るのだけは嫌だから何かお礼をしたいんだが……思いつかないから何か考えて置いてくれ」



あたしはマフラーの入った紙袋を湊谷の横に置いた。



すると、



「じゃあさ、」



湊谷は起き上がって一言。



「一日だけ俺限定のメイドになって☆」