顔を洗って顔を上げる。

鏡に写るのは俺と背後に立ち笑うあの女。

血まみれになり、首筋に蛆を這わせて俺を見つめる。

毎回、目に映る度に腐敗していくあの女。


腐れ朽ちる姿を俺に見せつけるように……。



そして女は話かけてくる。

声帯が潰れても呻いて俺に不快な音を聴かせる。

俺は逃げられない。

逃げられない。


女は完全に取り憑いた。