空腹を満たすことなく床に転がる。

ホコリの積もった床にさっきの黒い残骸がまだ点々と転がっている。


……きたねー部屋だな。



天井を仰ぐと不意に手にヌルッとした感触が当たった。

それはヌルヌルと俺の指に絡みつき生暖かい温度を持っていた。



「……は?」


気色の悪さと驚きに視界を横に向けると白目を剥いて笑う血まみれのあの女がいた。

心臓が一瞬、止まったように身動きも出来ず言葉すら出なかった。



『どこに行ってたの?私を置いて?あなたをずっと待ってたのよ』


首を自ら刺した女の声は潰れて擬音の混じるような音を発した。

女の体は生々しい血が渇くことなくヌルッと潤んでいる。


『死んだらずっとあなたといられるのよ?私があなたに取り憑いて、ずっとあなたと一緒よ』




女は白目を剥いたままニヤリと笑い指を強く絡めてケタケタ笑った。