静まり返った部屋の玄関にはドット模様に黒い点が広がっていた。

微かに異臭がして俺は息を止めて眉をひそめた。


……おぇ……
何だこの臭い……。


死体の臭いなのかと思うと息も出来なくなった。


しかし、どうやらこの臭いは玄関近くにある流し台からのようだ。


俺は意を決して奥の方に進んで死体を確認する事にした。

口と鼻を手で覆いながらゴキブリの死骸を避け恐る恐る進み唖然とした。




「……は?」



思わず声が漏れた。



そこに死体なんて存在していなかった……。