「ありがとう。でもさぁ…うちなんかしたかなぁ?」

「心あたりないの?」

「…。ないよ」

「うそだー?」
ともみは疑うような目で見てくる。

「あ…そういえば…」
うちはつい最近リンくんのおとしたペンを拾った。

そして、リンくんに返しに行ったのを思い出した。

「ふうん…それだけ?」
ともみはつまらなそうな顔をしていた。

「それだけって…怖かったんだよぉ…にらむしさぁ」

「そっか…大丈夫でしょ、たぶん」

「たぶんって…」

そして二コっと笑って教室を出て行ってしまった。

「――大丈夫なのかな?」