恵まれる・・・恵・・・。


なんで、恵のことばかり考えてしまうの。


やっぱりおかしいよ、私・・・。


「姉ちゃん?」


「え?なに?」


「・・・暗くなってきたし、母さん心配してんじゃねぇかな。」


携帯で時間を見てみると、6時45分。


そろそろ帰らないと、7時を過ぎてしまう。


「そうだね・・・。帰ろっか。」


そう言って、私と太一はまた並んで歩きだした。


でも、今度はさっきと違った。


「・・・っ太一?」


「・・・これぐらい許して。」


しっかりと握られた右手はすごく温かかった。